二つの流れ−から・み
KARA・MI - Two Flows
 
(c)Sankai Juku
演出・振付・デザイン 天児牛大
音楽 加古隆・YAS−KAZ・吉川洋一郎
舞踏手 天児牛大・蝉丸・岩下徹・竹内晶・市原昭仁・長谷川一郎・松岡大・浅井信好
共同プロデュース パリ市立劇場 / 北九州芸術劇場 / 山海塾
初演 2010年4月 パリ市立劇場

地に、ころんと転がる体のぬけがら。その空洞の体のなかに、何兆何億という原始生命体が共生する。天児牛大は最新作『二つの流れ−から・み』において、からの体と実をやどす身、その双方を思索する。矮小なる人類の体の内に毛細血管をたどり潜水していくことで、そこに厖大なる形而上学的ミクロコスモスを発見する。大海の藻屑か体内の末端神経か、宙に吊られた十四枚の半透明のプレートには極微的な交換を示唆する赤と青の模様が写されている。ゆらりと揺れる、その薄板の此方と彼方は明確にはへだてられていない。意識と無意識が、生物と非生物が、この世界でははっきりとは分化されず、すべてが薄膜のなかにくるみこまれている。だがあるときその乳白色の卵膜のなかで原初の生命体が、いまにも破水してこの世に誕生しようと、フェムト秒の鼓動を打ちはじめる。生命の無限小から宇宙の無限大へ――。体への微視的探求から、無辺際の時空がふくらんでゆく。 (K.I.)

公演評

山海塾の舞踏手は、揺れ動く世界の永遠の花のように我々の前で儚く燃え尽きる存在であり、そして魂である。限りなく繊細で悲痛な芸術によって、天児牛大は我々を幻の世界に導いてゆく。

フィガロ

(c)Sankai Juku

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